犬にみそを与えてもよいのでしょうか?

ひよこ豆のみそ

ワンネス発酵アカデミーでは犬を含めて、全ての生き物に発酵を取り入れることを推奨しています。ワンネス発酵アカデミーのインスタグラムでは、犬のために作る超減塩みその大まかなレシピも掲載しています。それを元に作っていただいたみそは、犬用みそとして大好評です。

中でもひよこ豆を使った「ひよこみそ」は、嬉しいことにモニター犬の90%が喜んで食べてくれました。しかも飼い主様もひよこ豆の独特の美味しさにハマったというご意見をちょうだいしています。

ただ、少数ではありますが、お叱りのご意見をいただくこともあるんです。

『犬にみそなんて与えたら、塩分過多が心配なのに、そんないい加減な情報を流すのはやめてください。』
『犬には塩分は必要ないでしょう?』

こんな厳しいご意見もちょうだいします。

そこでまずこの記事では、犬にみそを与えてもよいかどうかの疑問にお答えし、犬に与えてもよいみそについても説明します。日頃から発酵食品に興味があって、犬にも発酵食品を与えたいが、どんな発酵食品を選べばいいか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。


犬に与えてもよいみそはどんなみそなのでしょうか?

その答えは「塩分が少なく、保存料などが添加されていない無添加のみそ」です。

塩分に対するご心配はもっともで、塩分過多は確かに体に毒なのです。ですから塩分の多いみそは与えてはいけません。あと減塩するために添加物や保存料を足したみそも与えてはいけません。みそと名前がついていても様々な種類があり、塩分含有量も違います。一番塩分が少ないといわれるのは白みそで、塩分量は6〜8%、さらに減塩みそは4〜6%です。

市販されているみそでは、無塩みそ、減塩みそ、次に白みそが塩分が低いみそです。

もしも、シビアに塩分を気にしないでいい健康状態なら、このような数字を意識することはあまりないかもしれません。一方で高血圧、腎臓病、重い心臓病、その他のご病気で塩分量を厳しく控える必要がある人にとっては、生き死にの問題となるので、非常に大切なことです。

減塩みそは厳格に定義があります

ワンネス発酵アカデミーのオリジナルみそ5種類


人間の食生活においても減塩、減塩といわれ、心臓病、腎臓病、高血圧、その他あまたの病気の原因は塩分だとされ、塩は悪者として定着しています。
そんな現代人に提唱されているのが”減塩”というキーワードです。


以下は人間における塩分摂取の推奨値です。

人間は、1日の食塩摂取量の目標値、男性9g未満、女性7.5g未満となっています。

数字の下の”未満”とはそれ以上とったらダメですよという意味です。

犬に必要な塩分量の栄養学的数値とは

あ、そうです。かなり脱線してしましました。しかし、発酵食品=塩分多めのみそ、甘酒、チーズ、キムチなどしか頭に浮かばない人は、発酵食品イコール塩分が高い、糖分が高いという、謎な定義に縛られていて、どんなにご説明してもその領域から抜け出してくださることはありません。

そして犬にみそを与えるとは!なんたるけしからんことを!とご立腹されるのです。

ここで犬の塩分量の話に戻ります。

犬に関しては以下のような数字が、栄養学的な目安とされています。

犬が1日に摂取してよい塩分量は、年齢、健康状態によって異なりますが、

一般的には体重1kgあたりナトリウム50mgほどと言われています。

例:体重5kgの犬の場合

  • 1日に摂取してよいナトリウムの分量:250mg
  • 塩分に換算すると:約0.625g

    この数字を50kgの体重の人間に当てはめてみましょう。 0.625 x10=6.25g となります。

    塩分の必要量は、上記の成人男女の割合よりやや少ない量だと分かります。


    【計算式】

    塩1gに含まれるナトリウム量は約400mgです。

    250mgを塩分換算する数式は

    0.25➗0.4🟰0.625 となります。

    (これはあくまでも概算であり、実際の含有量は食品によって異なる場合があります。)

注意点

  • ドッグフードにはすでに栄養学的に必要とされる最低限の塩分が含まれているため、ドッグフード以外でさらに食物を与える場合は、塩分の量に注意が必要です。
  • 子犬や老犬、心臓病や腎臓病などの持病がある犬は、塩分の摂取量をさらに制限する必要があります。
  • 塩分の過剰摂取は、高血圧や心臓病などの健康被害を引き起こす可能性があります。

その犬がドッグフードを与えられているのなら、どのように検索しても上記のような注意があちらこちらにあるのは当たり前のことです。ドッグフードには犬に必要とされている上記の数値のナトリウムがきちんと添加されているので、それ以上塩分を取る必要はありません。(理論上は)

しかしこれは、犬には最低限の塩分(に含まれているナトリウム)が必要という事実に他なりません。

実際にあった事例として、飼い主様の判断で塩分を制限されすぎて、ナトリウムの欠乏症と見られる症状の犬がみられます。

極端な食事制限をすると、一定の栄養素が欠乏してしまい体に不調をきたすことがあります。


ナトリウムの欠乏による体の変調

前述の犬のように、ナトリウムが極端に欠乏すると以下のような不調が見られるようになります。

これは人間に関しても同じことがいえるでしょう。どんな栄養素でも不足も過多もよくないことなのです。

  1. 脱水
  2. 食欲不振
  3. 嘔吐
  4. 下痢
  5. 筋肉のけいれん
  6. 意識障害
ワンネス発酵アカデミーのオリジナルみそ5種類


夏場になると、犬が飼い主さんの足や手をペロペロと舐める仕草を見たことがありませんか? そんな時は、犬が飼い主さんの皮膚に付着している汗、つまり塩を欲している現象かもしれないのです。

夏は特に水分過多となり、ナトリウムを始めとするミネラル分が尿となって流れ出てしまいます。そこで犬は、本能的に塩分を求めてそのような行動を取るようです。好きな相手や仲間を舐める行動は愛情表現の一つですが、実は塩分を欲しているのかもしれません。

犬と共に暮らす人間として、覚えておいていただきたいことに一つです。

ワンネス発酵アカデミーの犬みそとは

みその塩分量と大さじ1杯あたりの量

味噌の種類100gあたりの塩分量大さじ1杯あたりの塩分量大さじ1杯あたりの量
白みそ6.0g~8.0g約1.2g~1.6g約17g
田舎みそ10.0g~12.0g約2.0g~2.4g約17g
減塩みそ4.0g~6.0g約0.8g~1.2g約17g
100g当の塩分量

上記は市販のみその塩分用の目安です。ワンネス発酵アカデミーで作る犬用のみそは一番下の減塩みそと同じかそれ以下で作ることができます。

炊飯器で仕込む一晩みそ

一晩で作れるみそを仕込んでみましょう

通常のみそは仕込みから熟成して美味しく食べられるようようになるまで、約8ヶ月の時間が必要です。

しかしワンネス発酵アカデミーでは、まず一番初めの実習で、一晩で食べられるみその作り方をお教えしています。

塩分は市販の減塩みそと同等かそれ以下です。豆と麹の率は、犬の健康を考えて配合しています。

ですから犬の健康を気づかい発酵食品を取り入れたい人には最適な減塩みそといえるでしょう。

手作りみそ

何より重要なことは、素材ひとつひとつ全て自分が選んだものを使っているということです。

豆は遺伝子組み換えでないか、国産か、北米産か、どのくらい農薬が使われたものか。麹はどのような米で作られているのか。塩はミネラル豊富な海塩なのか、ただの塩化ナトリウムなのか、これ全てを自分で選択できます。

材料はたった3つ

みその材料は、本来たった3つです。

豆、麹、塩 あと水も必要ですね。

このたった3つ➕水で作るので、素材をしっかり厳選できます。

そしてシンプルな素材で作ったものこそが、本当においしく、体を慈しむ食品です。

広島、長崎に原子爆弾が落ち、多くの人たちが亡くなったり、放射能にさらされました。とても悲しいできごとです。

そしてその被爆した人の免疫力をあげ、命を救ったのは、当時の日本人が毎日食べていたみそなどの発酵食品だとされています。

みそを始めとする麹由来の発酵食品は、人やその他動物の免疫細胞の働きを活性化したり、腸内環境を整えて、免疫力を高める効果があるんです。

麹に含まれる栄養は多岐にわたり、代表としてはビタミン、ミネラル、食物繊維、酵素などが挙げられます。

こんなに素晴らしいみそを塩分がどうのとかいって、ろくに調べもせずに与えることができないのは、とても残念なことです。

翌日から食べられます

ワンネス発酵アカデミー初級講座でお教えする一晩みそは、炊飯器やヨーグルトメーカーで仕込むので、普通のみそとは違った発酵をします。

甘酒は一晩で甘くなりますが、簡単に言えばこれと同じサイクルの発酵でおいしくなります。ですから、みそと言っても実は”みそもどき”です。

60度くらいの温度帯で発酵させるので、麹菌そのものは失活しています。

それじゃ効果がないのかと、残念に思うかもしれません。でもこの失活した麹の酵素たちは、腸に入って、善玉菌のえさとなってくれる重要な役目を果たします。

みそは体の免疫力を上げる健康食品

みそを食べると免疫力が上がり、病気になりにくい体を目指すことができます。オリジナルのみそなら原料を自分で吟味し、塩分濃度を調整することが可能なので犬の手作り食の材料にも使えます。ワンネス発酵アカデミーで、自分や愛犬のためにオリジナルのみそを作って食べてみましょう。講座でお会いできますことを心から楽しみにしています。